派遣マニア

いろんな業界で事務系派遣として働いた思い出・愚痴など

[就業先の人々] ただの派遣なので、展示会運営会社社長にシャットダウンされた思い出

関東圏では、東京ビックサイトや幕張メッセなど、大規模なイベントを実施する会場がいくつかある。


アイドルや歌手のコンサート、アニメフェアなどだけでなく、法人向けの展示会イベントも良く行われたりするのだけど、そういったイベント運営を専門に扱う会社が、存在する。


会場の設置や、開催に至るまでの下準備。
たとえば展示会ブースのデザインや資材の調達、食べ物を出店する場合は消防法に則った運営を行う必要があるので、そのあたりの調整も、出展者の企業様へアドバイスをしたり、などもしたりする。


そんな会社に、派遣社員として入社して、2日めだか3日めだかのこと。


ひとりのジイさんが入室してきたとき、周りの社員達が、立ち上がった。
つられて、私も椅子から立ち上がる。


ジイさんは、一人ひとりに、エラそうに、労いの言葉をかけていく。
どうもこの人が、この会社の社長らしい。


こちらに目線が来たとき、
「〇日より、派遣社員としてお世話になってます、gustanと申します。」と頭を下げた。


すると、ジイさんは、
「あ~、私はね。人の名前は覚えられないから」
と、ついてきてしまった野良犬を追い払うように、シッ、シッ。という感じで、片手を左右に振った。


もし、これが、経営陣に近い正社員からの挨拶なら、もうちょっとマシな回答をしたのでは?と、思う。


私にとって、成功する経営者は、底辺の従業員にも、敬意を持って、人間同士として接する人。という人物像がある。


こんなジジイがやってる会社、もうつぶれてるかも😀と、今、社名を検索してみたところ、まだあった。
ふん。


[職場見学編] 派遣社員を使い慣れてる企業を選ぶべし♡

派遣社員として様々な職場を渡り歩いていると、ある普遍の心理に辿り着く。


それは、企業様の派遣社員の取り扱いについて、


・派遣社員が職場内で組織の一部としてすでに浸透していて、業務指示、また業務の中での立ち位置が、定着している。


はたまた、


・初めて派遣社員をオーダーする。派遣社員の上手い使い方が、まだわからない。


2パターンのシチュエーションの場合、もし派遣社員デビューされる場合、前者をおすすめします💗


後者のパターンの職場に入り込んだことが何度かあります。
企業様が、それまで社員のみで業務を回しており、まだ派遣のポジションに慣れていない。事前に業務範囲を示した契約書を交わしているものの、業務の中で、外部スタッフがどのあたりで役割分担してもらうのか、また問題が発生した場合の課題解決など、マニュアル化されていない。
また、派遣がそのチームで初めてのポジションだと、正社員の方々との業務での行き違い・こちらの非が客観的に見て、ないであろう場合でも誤解されやすく、派遣社員が悪いという烙印を押されるのを防ぐべき、かなり高いコミュニケーション力が求められます。



以下は、唖然とした職場見学(実質、派遣社員の面接)の思い出。


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面談の会話のやりとりから、派遣社員の雇用をおそらく初めてオーダーする企業様。



「職場見学」で、こちらからの質問について、的確に回答できない。
面談は、採用可否を決められる権限を持った、お偉いさんが出てきてしまい、実際の現場担当者は異なることも、質問に答えられない一因かと思う。


こちらは、派遣ジョブホッパー(=いろんな職場を渡り歩いている人)なゆえに、短時間で就業先を見極めるがゆえの業務・職場環境を含めた質問をするのだけど、面接官がタジタジで、事前に、「フルタイム(7.5-8H勤務、週5日)」と聞いていたが、面談の途中で、突然


「週3日くらいでも良いでしょうか?派遣の人を、雇い慣れてないので」


と言われた。


自分は、生活のために働いている。
生活費は、ダンナの稼ぎで十分間に合っていて、おこずかい稼ぎのためにちょっと働きに出たい。というのでは、ない。


週5日と、週3日では、1か月の収入額が、全く異なる。


週何日シフトかについて、事前に派遣会社の営業とのやりとりの中で、求人依頼時から条件変更したい。なら、理解が追いつくけど、面接中に、週2日もシフトを減らせないかという突然の提案。


どうせ女性(主婦)なので、おこずかい稼ぎ。
週3日だろうが、週5日だろうが、家計の主計じゃないので、どっちでも良いでしょ?


・・って思ってらっしゃいます・・・?!(怒)


私の質問の仕方が、あんたに威圧感かけてたんだったら、謝るわよ。
わるぅございました。


そして、私が業務を教わる予定の人が、


ホンジュラス人で、日本での任期がもうすぐ終わり、祖国へ帰る人。


だという事も、その後の会話でわかった。


ホンジュラス人・・・
スペイン語圏だ。


先に言え!!


面談当初、英語での業務経験があるんですね。的なことはさらっと言われたが、それ以上つっこまれることはなく、今回の現場で、英語を使うことがあるということは一切説明されなかった。
こちらが、つっこんで業務の話の質問をして、ようやく判明した。


不安要素
1. 英語を使うといっても、スペイン語圏での人、英語ネイティブじゃない(ちなみに、そのかたは日本語はわからないとのこと)
2. もうすぐ帰国するって、業務引継ぎ間に合うの?週3とか言ってるけどさ。


面談の応接室を出て、ビルのロビーで派遣会社の営業と二人になったとき、速攻言った。


「辞退でお願いします」


良い就業先を選定するって、難しいのよね。


[就業先の人々] 田園調布の奥様

沢山の職場へ派遣社員として出向き、色々な人々と一緒に働きました。


もし、新卒で就職して、その会社に安定してずっと勤めていれば、出会うことはなかったであろう、「派遣就業先の人々」。


何年経っても、時々ふと思い出す、個性的だったかつて同僚や上司だった人々。
彼らとの思い出を、綴ってみます。たいてい、どうでも良いエピソードです。悪しからず。
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資本主義のこの世の中で、経済的に、生活ランクが似たような層の人と話が合いやすいってのは、世の摂理。


底辺派遣社員で、明日、明後日生きる心配をする私が、一生働かなくて良いレベルのセレブな奥様と、話が合うかっつったら、合うわけないもの。


ところが、出会ってしまったんです。
セレブの奥様と。同じ派遣社員として。



彼女は、私とほぼ同期で、派遣社員として入社してきた。


就業先は、その業界では有名な、大手企業。
正社員となるとその会社に入るのはハードル高く、優秀な人が多い。


一般的には、どこの社会でも軽視されがちな、下っ端の派遣社員だけど、彼女は入社してすぐ、正社員たちの目に留まることとなった。


彼女が、自身の親戚がアメリカにも多くいるバイリンガルだったのもあると思うけれど、育ちが良く、そもそもの生活レベルが普通の人と違う(高給な旦那様を持つ田園調布に住む奥様&所作の優雅さ)のが、正社員達にもわかったのだと思う。


彼女はすぐ、自社の正社員コミュニティに、雇用形態の垣根を越え、するりと入っていった。


ある時、「〇〇に行ったときは楽しかったですね!」的な話を社員達としていて、彼女が業務外でも、お食事に誘われていることがわかった。


・・・・私、誘われてません(泣)うぅっ。


誘われないワタシ、彼女と何が違いますか・・・?
仕事は、同じような単純作業だったので、そこの違いはあまりないと思うんだけれども・・
品の良さか?
語学力か?
ユニクロ着てないからか?



本当にセレブなら、仕事なんてしないでしょう。その人、セレブじゃないでしょ?と、読んでくださっている方々は、思われるかもしれません。


その理由は。


ある日、なぜ彼女が、お遊びな仕事(派遣ワーク)をしているか、教えてくれました。


「家で子供と二人きりでいると、息が詰まるの。」


息抜きに、外で働きたいとのこと。
子育ての壮絶さは良く聞きますし、それ自体、否定しません。


しかし辟易したのは、彼女が毎日のように


「おばあちゃんの具合が悪くて・・」
「子供の熱が・・」
「母の具合が・・」
と、いろんな親族の体調不良を理由に、しょっちゅう休んだり遅刻、早退することでした。
お子さんの熱ならわかるけど、そんなに日替わりで、親族具合悪くなる?
・・・しかし、毎回すごい具体的に描写してくるので、信憑性がなくもない。なんなんだ。


派遣社員は単純作業を依頼されがちな性質上、彼女と私は全く同じ仕事をしていて、彼女の欠勤により、私の仕事上が2倍になりました。


急欠の翌日、彼女はよく高そうなお菓子を持ってきて、
「昨日はすみませんでした~~💗」と、チームみんなに、迷惑をかけたお詫びをしました。
裕福なので、金目は厭わないというか、高そうなお菓子です。
日頃、コミュ力の高さで、上司は完全に手なづけられていて、急な休みが多くても、全く気にしていない様子でした。


ぶっちゃけ
お菓子はいらんから、働いてほしい。


・・でも、セレブの奥様にとっては、根本の感覚が違うよう。


「子育てしながら、働いているワタシ💛」を実現するためのライフスタイルであって、必死になって日給を死守しようとしてるわけじゃないんだもの。


勤怠については辟易したけど、彼女と話していると、本当に上流の人という感じがした。
人が良く、人を疑ったことがないというか、エレガントさに惹きつけられた。



その後、私は彼女より、先に辞めることになった。
その職場で、いろいろ、限界だったのだ。
自分自身、その職場で仕事ができなくて、正社員達にいじめられ、セレブ奥様の欠勤分の仕事も回ってくるのも、しんどかったし。


私の退職を知ると、彼女は、「はぁ?!(何勝手に辞めるって決めてんのよ!」という感じの反応をされた。
初めて見た、エレガントでない、粗い反応。


そのリアクションを見たときに。


私が、今まで、彼女の勤怠の悪さをフォローして、仕事量が多くなって、辛かったこと。
何も、自覚がなかったんだ。
と、思った。


そこを去れて良かったけど、今でも時々思い出す。


教訓。
貧乏人は、セレブと交わるべきでない。
経済レベル、考え方レベル合わないと、色々辛いっす。